Carlos Kleiber [ピアノ・音楽]
久しぶりに家に帰ってきました。しばらく食べ物の話が続いていたので、久しぶりに(!)音楽の話を。
今年はウィーンフィルのニューイヤー・コンサートを観ることができなかったので、部屋に戻ってからクライバーのDVDを引っ張り出してきました。ちょっとしたニューイヤー・コンサートです。(笑)
昨年末にクライバーの凄いビデオを拝見する機会があったのと、学生時代のサークルで一緒だった、とあるクライバーマニアの方の影響(!)もあり、無性に聴きたくなったのです。
89年の「こうもり」と92年の「雷鳴と稲妻」のどちらにしようか非常に迷ったのですが、後者にしました。
いやもう言葉がありません。「ウィンザーの陽気なな女房たち」の出だしから盛り上がりまでの構成力、「雷鳴と稲妻」の前へ前へ進む中での高揚感、そして「美しき青きドナウ」での繊細な息遣い。オケが息づいています。またクライバーの指示にオケが完璧に応えているのです。さすがウィーンフィルです。
ラデッキーマーチまで聴いて、興奮冷めやらず別のDVDへ。
名指揮者の軌跡Vol.1 クライバーの《こうもり》序曲/《魔弾の射手》序曲
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2003/05/23
- メディア: DVD
一体どのようにリハをしているのだろう、という疑問に答えてくれる映像資料です。リハの風景がそれぞれの曲で30分以上見れて、かつ本番の演奏が流されるという面白い構成になっています。オケが若干物足りなく(クライバーの要求に応え切れていない部分が結構多いかも)思える部分はあるものの、とても参考になります。2曲とも序曲ということで、構成へのこだわりが感じられますし、クライバーがオケとともに曲に命を吹き込んでいく、というと大げさかもしれませんが、その過程が良く分ります。
クライバーは細かい指示を出しながらも各奏者が自由に演奏することを求めています。逆に小さくまとまった演奏となることを嫌っているのですね。人を惹きつけてやまない魅力的な演奏はこのようなところから生まれているんだなと納得させられます。
この後、結局89年のニューイヤー・コンサートを観てしまい、その後もさまざまなCDを聴き続けたのでした。(笑)
学生の頃言っていた「クライバーの振るニューイヤー・コンサートを聴きに行く」という夢は、もはやかなわないこととなってしまいましたが、これからもいろいろなクライバーの演奏に触れてみたいと思いますし、いつまでも聴き続けてゆきたいという気持ちを新たにした一日でした。
そういえば昔、そんな夢物語に花を咲かせたこともありましたね!
今思うと、クライバーという存在を、どうして大学に入るまで知らなかったのか、それが痛恨の極みです。私の人生も、少し変わってたかもしれませんね。
でも、これらの映像で振り返ることが出来る、それだけでもこの上ない幸せですよね!
by 抵抗勢力 (2007-01-09 00:46)
> 抵抗勢力さん
全く同感です。残されたものは数少ないですが、それでもこれだけの感動を与えてくれるのですから。
と、いうよりまだ聴きつくしていないので、特にオペラなどをゆっくりとでも観て(聴いて)みたいと思います。
引き続きご指導ください。
by Lipatti (2007-01-09 21:24)