第160回文楽公演 平成19年9月 国立劇場 [文楽]
少し前になりますが、9月文楽公演に行ってきました。
今回は第一部が「夏祭浪花鑑」、第二部が玉男さんの追善公演で「菅原伝授手習鑑」の「道明寺」でした。特に第二部、2回観に行ったのですが、本当に素晴らしい舞台でした。
床ではなんといっても十九大夫さん、富助さんでしょう。「心の嘆きを隠し歌~」から別れの歌を詠む箇所、「暁もがな」の悲痛な語りがとても哀しく、涙を誘われます。道明寺といえば、越路大夫さんの名演が自分の中では強く印象に残っています。越路大夫さんははっきりと明晰な表現で細やかに語られているのに対し、今回の十九大夫さんは持ち前の太い声を生かされた重厚な語りで別れの場面の悲しみがぐっと胸に迫ってきます。
人形では奴という滅多に見られない配役で登場した簑助さん。敵討ちの愁嘆場を完全に喰ってしまってました。存在感が違いすぎます。そんな役でも真剣勝負で本気で遣われている簑助さん、このようなチャリ場でもその思いが伝わってきました。
演目が発表された時は地味な演目かな、、、と思っていたのですが、自分が浅はかでした、、、またいつか、今度は通し狂言(特に桜丸切腹)で観て見たいです。
今回は玉男さんの追善公演ということで、玉男さんの遺品や写真が展示されていました。
「冥土の飛脚」の忠兵衛、羽織落の場面でしょうか、、、
「曽根崎心中」の徳兵衛とお初、天神森の場面
先日の「私の履歴書」でも簑助さんが書かれていましたが、この配役での「曽根崎心中」、一度観てみたかったです、、、11月に大阪の追善公演は玉女さん、勘十郎さんの師弟同士の配役となったようです。
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