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第158回文楽公演 第二部 平成19年2月 国立劇場 [文楽]

 文楽公演、2月は3部構成なので、3週連続で国立劇場に足を運んでいます。今週はその最後、第二部です。

 公演も今日で千秋楽。今日は満員御礼でした。

第二部の演目は「摂州合邦辻」から「万代池の段」と「合邦庵室の段」です。17年7月の大阪公演とまったく同じ演目ということで、半分以上がその時と同じ役割でした。

あらすじとしては、河内国高安家のお家騒動にかかる話。高安家の嫡子俊徳丸への継母(玉手御前)の邪恋、それを許せない玉手の実の父親合邦が玉手を刺してしまう。ただそれは玉手がお家騒動を収めるために打った芝居だった、、、という悲しいお話です。

  今回のパンフは玉手と合邦が表紙。

 今回の席は6列28番。今月は3公演とも床にとても近い席を取っているのですが、今日は太夫さんの正面でした。人形が若干遠くなりますが、浄瑠璃を聞くには特等席です。綱大夫さん、住大夫さんの語りを正面に聴きながらの舞台は圧巻です。

まずは万代池の段、太夫では英大夫さんの合邦が印象に残っています。合邦がお布施を募る場面、とてもテンポ良く楽しめました。人形の文吾さん、お痩せになっていましたが、この場面は小気味良く、最後の次郎丸を池に放り込む場面はとても豪快に遣われていらっしゃいました。これからもお元気に舞台に立って欲しいと思います。

続いて合邦庵室の段、人形は文雀さん、太夫は綱大夫さん、住大夫さん、重鎮の方々がやはり素晴らしかったです。

文雀さんの玉手は、恋心をかきくどく場面の優美なこと!!ネムリの老女形の頭だったのですが、さりげなくまばたきをしたり目を閉じたりするところや、首の傾げ方まで本当に美しいです。また俊徳丸に恋焦がれ、暴走する場面のキレ具合、浅香姫を足蹴にしたり平手打ちを食らわせる場面(蹴りを入れる場面は以前の大阪の時のほうが激しかったような気がしますが)、合邦に刺された後に真相を打ち明ける愁嘆場など場面毎に見事に遣わられていらっしゃいました。

綱大夫さんで感動したのが、玉手が尼になれと言われた場面。言われて玉手が逆に、「折角艶よう梳き込んだこの髪が、どうむごたらしう剃られるもの。これからは色町風随分派手に身を持って、俊徳様に遭うたらば、あっちからも惚れて貰う気」と言い返すところ、最後の「気」という言葉。邪恋に狂って開き直っている憎たらしさを見事に表現されていました。背筋がぞくぞくとしました。

住大夫さんはものすごく気合が入っているようにお見受けしました。合邦の悲痛な叫び「これが坊主のあらうことかい、(繰り返し)」の場面は本当に素晴らしかったです。席のせいもあったのですが、あまりの迫力に住大夫さんのほうに釘付けになってしまいました。半分くらいは床の方を見ていたかもしれません。

というわけで最後までものすごい緊張感で、先週に引き続き大満足の舞台でした。

2月公演も終わり、東京公演は次は5月、なんと絵本太功記の通し狂言です!前回は勘十郎さんの襲名狂言でしたが、今回も光秀は勘十郎さんなのでしょうか。玉女さんでも是非見てみたいですし、配役含め今から楽しみです。

と、書いていますが、今日は教育テレビで久々の文楽中継。テレビで流れている「岡崎」が気になって仕方ありません。切場に入って綱大夫さんが出てきました(今日聴いたばかりなのですが)。もう「ながら」には耐えられませんので、この辺りで失礼します。(笑)

最後に、おかげさまでこのブログが週末で20,000Hitになりました。本格的に書き始めて5ヶ月弱。今では一日200Hit前後のペースが続いており嬉しい限りです。見ていただいている方にお礼を申し上げますとともに、好き勝手なテーマで書いているだけのブログですが、引き続きよろしくお願いいたします。m(_ _)m

 


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コメント 2

mami

Lipattiさん、こんばんは。
文雀さんの玉手はほんとうに品があって美しかったですね。文雀さん、大好きなんです!
住大夫さんの語りにはいつも泣かされてしまいますが、今回も途中から涙が止まりませんでした。
文吾さんの復帰も嬉しい限りです。
TBさせていただきますね。
by mami (2007-02-26 00:48) 

Lipatti

> mamiさん
こんばんは!
文雀さんが遣われる老女形、素晴らしいですよね。
5月はおそらく操を遣われるのでしょうね。今からあのクドキがとても楽しみです。
住大夫さん、この日は絶好調だったと思います。床が廻って出てきた時から気合十分でした。
2月は本当にどの部も楽しむことが出来たと思います。
5月が待ち遠しいです。
by Lipatti (2007-03-02 00:09) 

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