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第158回文楽公演 第三部 平成19年2月 国立劇場 [文楽]

昨日から始まった文楽2月公演、今日は第三部に行ってきました。

相変わらずの人気ですが、今日は満員御礼ではありませんでした。劇場内を見渡した限りでは、ほとんど埋まっていましたが、、、、

今日の席は7列30番と床に近いところを選んだつもりだったのですが、どちらかというと正面の方まで床がある感じで少し舞台に向かって体を傾けていなければならなかったのでちょっと辛かったです。もちろん語りや三味線はとても良く聞こえましたし、床は良く見えましたけれど。大阪と東京ですと大分席の押さえ方も違うのかも知れませんね。国立劇場ですと中央ブロック右側の端で7、8列目あたりが良いような気がします。

  2月公演のタイムスケジュールです。

今回は時代物の大作、「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」の四段目の後半、道行恋苧環(みちゆきこいのおだまき)、鱶七上使の段、姫戻りの段、金殿の段、入鹿誅伐の段です。

入鹿誅伐の段以外は、昨年1月の大阪公演で全く同じ演目が公演されています。この時は、求馬を玉男さんが遣われる予定だったことから初日に駆けつけたのですが、残念ながら休演だったのでした。わずか1年前のことですが、まだこの時は玉男さんを再び観ることができると信じていたんですよね、、、、思い出して少ししんみりとしてしまいました。

内容としては、藤原鎌足の息子淡海が求馬として身を隠している時に恋仲になった酒屋の娘お三輪と蘇我入鹿の妹橘姫との三角関係に端を発し、求馬を追いかけてきたお三輪が入鹿誅伐の目的の為に殺されてしまいます。その結果入鹿を最終的に討つことが出来ました、というお話です。なんでもお三輪の生血を笛にかけて音を奏でると入鹿の妖力が弱まるとか、、、文楽らしい強引な筋書きですね(笑)。大化の改新に関わる歴史上の話を縦筋に、求馬をめぐるお三輪、橘姫の気持ちの動きを横筋に話は展開していきます。

今日は(も?)、簑助さんがとても素晴らしかったです!前回同様、お三輪を可愛らしく魅力一杯に遣っていらっしゃいました。最初の道行は出のところから終わりまで簑助さん(というかお三輪)に釘付けでした。例えばお三輪が橘姫に絡んで「イーっ」と何回かする場面があります。人形の頭(かしら)は当然顔が動かないのですが、簑助さんが遣うお三輪は本当に「イーっ」としているような表情を見せるのです。体全体、肩や首の技術的な遣い方なのか、気持ちの入り方なのか、、、その辺りは良く分らないのですが、簑助さんの遣う人形からはそういった表情がとても良く伝わってきます。道行ならではの場面、求馬、橘姫との3人で踊るところなどは、一人だけ雰囲気が違って見えたほどでした。何かオーラのようなものが出ている、そんな感じがします。

鱶七上使の段では、伊達大夫さんの語りがとても良かったです。鱶七のすっとぼけた雰囲気を面白おかしく語っていらっしゃいました。また、入鹿が大げさに笑う場所、「ムームー、ハーハー(繰り返し)」という浄瑠璃独特の笑い方なども大げさな感じが良く出ていてとてもおかしく、会場からも笑い声があがっていました。

切場の金殿では、嶋大夫さんが聴かせてくれました。最初の豆腐の御用人とお三輪のチャリ場はとても可笑しく語られていらっしゃいましたし、女中に苛め抜かれたお三輪が放り出され、逆上した直後、鱶七に刺されてしまうというクライマックスの場面は息も詰まるような緊迫感を見事に表現されていらっしゃったと思います。圧倒的な声量、表現力、さすがは切場語りの太夫さんです。

ここしばらくクラシックやオペラにはまっていましたが、やはり文楽も負けていません。満喫しました。2月は例年3部構成で、1部ずつが短めなので、あっという間ですね。来週以降、一部、二部と行きますが今からとても楽しみにしています。

 


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コメント 2

mami

Lipattiさん、はじめてお邪魔します。
簑助さんのお三輪は本当に素敵でしたね。表情のないはずの人形が活き活きとしていて、いつもながら惚れ惚れと観てしまいました。
また覗かせていただきますね。
TBさせていただきます。
by mami (2007-02-13 19:23) 

Lipatti

> mamiさん
こんばんは。はじめまして!
いろいろな舞台芸術を見に行かれているんですね。しかも本格的!
とても参考になりました。
こちらこそお邪魔させていただきます。よろしくお願いします。
by Lipatti (2007-02-14 23:52) 

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